メリハリ

TOPセールス紹介

営業という仕事において、「常に全力で取り組むべきだ」と長い間信じていました。自分に自信のない私はとにかく一生懸命働けば、必ず結果が出るはずだと常に気張って仕事をしていました。そして、トップセールスの人たちは、日々全力で仕事に取り組んでいるに違いないとも思っていたのです。ただ、私の成績はちょうど真ん中くらい頑張ってるのに結果はイマイチ。そんな時、トップセールスの先輩がランチを誘ってくれました。先輩とのランチでの何気ない会話が、この考え方を大きく変えるきっかけになりました。

驚きの一言

ある日、いつもトップの成績を誇る先輩と一緒にランチに行きました。彼は、週に何台も車を販売し、営業チームの中でも突出した結果を出し続けている「売れる営業マン」の代名詞のような存在です。そんな先輩が、ふとランチの途中でこう言ったのです。

「今日、なんかやる気が全く起きないんだよね。テキトーにやって、早く帰ろうかな。」

その言葉を聞いた瞬間、私は驚きを隠せませんでした。あれほどの成績を誇る先輩ですら、やる気が出ない日があるなんて信じられなかったからです。私は「トップセールスの人は、常に全力で取り組んでいる」と思い込んでいたので、すぐに質問しました。

「そんなに売っている先輩でも、やる気が出ない日があるんですか?」

すると、先輩は笑いながら答えました。

「そりゃあるよ。そんな日は、絶対にやらないといけないことだけサッと片付けて、早めに帰るんだ。それでリセットして、次の日にはめっちゃ活動するんだよ。」

この言葉を聞いて、私は自分の中で一つの仮説が生まれました。それは、「常に全力で走り続ける必要はない」ということです。

常に全力で走り続けることは不可能

私たちは、全力で取り組むことが大切だとよく言われます。確かに、仕事やプロジェクトに全力を注ぐことは重要です。しかし、常に全力を出し続けるのは非常に難しいことで、特に長期的に続けることはほぼ不可能です。例えば、マラソンのような長距離走では、最初から最後まで全速力で走ることはほとんど不可能です。途中でペースを管理しないと、最後まで力が持たないからです。

営業も同じです。常に全力で働き続けると、いずれ心身ともに疲弊してしまい、結果としてパフォーマンスが落ちることになります。営業において大事なのは、どのタイミングで全力を出すべきか、そしてどこで力をセーブして回復に努めるべきか、そのメリハリを見極めることです。

先輩の「やる気が出ない日は、やらなければいけないことだけこなして、早めに帰る」という言葉は、このメリハリの一つの例であり、長期的に成果を出すための工夫だと感じました。

リセットの重要性

先輩が言っていた「リセットして次の日に全力で活動する」という言葉には、仕事において全力を出すためにはまず自分をリセットすることが大切だという意味が込められているように思います。やる気が出ない日や体調がすぐれない日は、無理して頑張るのではなく、最低限の業務だけをこなして早めに帰る。そして、次の日には十分にリフレッシュした状態で、再び全力で活動する。このサイクルを取り入れることで、長期的に安定して高いパフォーマンスを発揮できるのです。

私たちは、「常に全力で取り組まなければならない」という考えに囚われがちですが、それでは燃え尽きてしまいます。むしろ、適度に休息を取り、リセットすることで次の戦いに備える。この「リセット」のプロセスこそが、長期的な成功の秘訣だと言えるでしょう。

メリハリをつける営業活動

先輩の話を聞いた後、私は営業活動においてもメリハリをつけることの重要性を再認識しました。常に全力で仕事に取り組むのではなく、自分の体調や気分に合わせて、力を抜くべき時と全力を出すべき時を見極める。このバランスこそが、結果を出し続けるための鍵だと感じます。

例えば、重要な商談がある日には全力で準備し、最高のパフォーマンスを発揮することが求められます。しかし、その前後の日には、少しペースを落としてリフレッシュする時間を取ることが、結果的に長期的な成功につながります。無理に頑張り続けてしまうと、結果的にはモチベーションの低下や疲労がたまり、かえってパフォーマンスが低下してしまうことが多くあります。

自分のリズムをつかむ

メリハリをつけた営業活動を行うためには、まず自分のリズムを知ることが重要です。自分がどのタイミングで疲れやすいのか、どのタイミングで最高のパフォーマンスを発揮できるのかを理解し、そのリズムに合わせて活動のペースを調整することが、安定した成果を出す秘訣です。

例えば、朝型の人であれば、午前中に重要な商談を入れ、午後は少し軽めのタスクをこなす。逆に夜型の人であれば、午前中はリラックスし、午後から本格的な活動を始める。このように、自分のバイオリズムに合わせて活動を組み立てることで、無理なく効率的に働くことができるのです。

また、定期的に自分の状態を見直し、必要に応じてリセットすることも大切です。長期間全力で取り組み続けると、どうしても疲れやストレスが蓄積してしまいます。そうなる前に意識的に休息を取り、次に全力を出すための準備を整えることが、長期的な成功を支える鍵となります。

結論:メリハリが成功のカギ

営業活動において、常に全力で取り組むことが正しいとは限りません。むしろ、先輩のようにメリハリをつけた活動を心がけることで、長期的に高い成果を上げることが可能です。気分が乗らない日や調子が悪い日には無理をせずに、最低限の業務だけをこなしてリセットする。そして、次に全力を出すタイミングで思い切り取り組む。このスタイルこそが、安定したパフォーマンスを維持し、持続的に結果を出し続けるためのカギだと感じました。

冒頭でマラソンのような長距離と表現しましたが、一方で短距離走的な要素も重要になります。営業で置き換えると勝負どきに自分の最高速度が出せるように準備する必要があります。

なので常に全力疾走ではなく、適切なスピードで走り続けるのか、少しペースを落として力を貯めておくのかを上手に見極め、メリハリをつけた活動を行うことで、効率的に成果を出し続けられるのではないでしょうか。

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