売れるとモテの関係性

営業雑学

「売れる営業はモテるのか?」というテーマは、営業業界でよく議論されるトピックです。このご時世の表現として適切ではないかもしれませんが、遊び人は営業が上手い。なんてよく先輩から聞いてました。それ、昭和の話だろとしか思ってませんでしたが、令和の今、私自身も「売れる営業マンはモテる」といった話をちらほら聞きます。そんな時、私は大学時代の友人をふと思い出しました。彼は新卒で入社した初月から1位を維持し続け、支店長に上り詰めていました。友人の学生時代を振り返ると常に彼女がいたように思います。学生時代に「モテていた人」と社会人になって「営業で成功した人」には、どのような共通点があるかまとめてみました。

ここでは、私なりに考えた共通点を3つ挙げてみたいと思います。

① 自己肯定感が高い

モテる人と売れる営業マンには、自分に対する高い自己肯定感が共通しているように見えます。この自信は相手に対して安心感や信頼感を与えるため、重要な要素です。営業現場でも、自己肯定感のある人は自然と落ち着いており、お客様に「この人なら任せられる」と感じてもらいやすいと考えます。例えば、声のトーンや表情、言葉選びなど、自己肯定感が高い人はどこか余裕を感じさせるものです。この余裕が、相手に対する信頼感を生み出し、商談の成功につながりやすいのです。

② 人との距離感を把握する能力

モテる人も売れる営業マンも、相手との適切な距離感を保つことが得意です。彼らは相手の懐に上手く入り込む術を知っており、親しみやすさと適切な礼儀のバランスを取るのが上手です。この距離感の調整は、相手に「この人と一緒にいたい」と思わせる強力な力を持っています。そして、営業においてもこのバランス感覚が非常に重要です。過度に近づきすぎると警戒され、逆に距離がありすぎると信頼関係が築けません。売れる営業マンは、お客様との距離感をうまく把握し、その場にふさわしいアプローチを取ることができるのです。

たとえば、初対面のお客様には丁寧な言葉遣いや礼儀を忘れずに、徐々に関係を深める過程でユーモアを交えたり、相手の興味に合わせた話題を振ったりして親近感を醸成します。モテるための「相手を理解し、好感を得る」という行動は、営業における「信頼関係を築く」ということとまさに同じだと言えるでしょう。

③ 勝負どころを見極める力

ただ優しいだけでは、モテることも売れることも難しいのは確かです。モテる人も売れる営業マンも、勝負どころを見極める力を持っています。これは、物事を進めるべきタイミングや、ここぞというときに一歩踏み込む強さのことです。営業では、クロージングのタイミングを見極めることが非常に重要です。お客様が関心を持ち、かつ決断を迷っている場面で適切に背中を押すことができるかどうかが、成約に直結します。モテるためにも、この「一歩踏み込む勇気」が時には必要です。適切なタイミングでのリードや告白がなければ、関係が進展しないこともあるでしょう。

この「勝負どころを見極める」能力は、経験や感覚、そして観察力が問われる部分です。お客様の表情の変化や言葉のトーンから本音を探り、その瞬間にどう行動するかで営業の成果が大きく変わることがあります。したがって、成功する営業マンは、常にお客様の心の動きを注意深く観察し、絶妙なタイミングでアプローチをかけています。

モテる ≠ 売れる:だが相関はある

最終的な結論として、モテることと営業で売れることには共通点があるものの、「モテる=売れる」わけではありません。確かに自己肯定感の高さや距離感の調整力、勝負どころを見極める力といった要素は、どちらにおいても有効です。しかし、これらの要素は「売れる営業マン」であるための一部に過ぎません。営業の世界では、誠実さや忍耐力、そしてお客様のニーズを深く理解し、それに応えるための努力が何よりも求められます。それらが備わって初めて、営業マンとしてもお客様から「モテる」存在になり得るのです。

モテるというのはある意味での「人としての魅力」を指し、その魅力が営業の現場でも役立つのは確かです。ただし、営業はただ人気があれば良いわけではありません。お客様の課題を解決し、信頼を獲得し、長期的な関係を築くことが大切です。そのためには、誠実に相手と向き合い、真剣に相手のためを考える姿勢が欠かせません。この姿勢こそが、真に「売れる営業マン」を形作り、結果として「モテる」ことに繋がるのです。

つまり、モテることは「売れる営業マン」になるための助けにはなるかもしれませんが、それだけでは不十分です。営業で成功するためには、人間的な魅力だけでなく、プロフェッショナルとしてのスキルや知識、そして何よりもお客様に対する誠実な対応が求められるのです。これらが備わって初めて、お客様から本当の意味で信頼される存在になれるのだと思います。

ですので、「モテる営業マン」=「売れる営業マン」ではなく、モテる要素を持つことは営業活動にプラスの影響を与える要素の一つであると言えるでしょう。お客様にとって信頼でき、安心感を与えられる営業マンであることが、最終的には成果を生むのです。そして、それは自己肯定感を高めることや人との適切な距離感を把握する能力、勝負どころを見極める力の先にある、誠実な努力と積み重ねの結果であるのです。

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